毎月10日までに試算表を完成させるには、何から変えればよい?

手作業を急がせる前に、情報が集まる仕組みと考え方を見直す。

先月の試算表ができた頃には、今月も半分以上過ぎている。数字を早くつかむには、何を変えればよいのでしょうか。

中央総研が大切にしているのは、仕組みと考え方を変えることです。手作業を急がせるのではなく、情報の流れが詰まるところを見直します。

正しい情報が、正しい形で、必要なときに集まる。その仕組みを整えることが、無理のない早期決算につながります。「翌月10日」を仮の目標に、仕事の流れを考えてみます。

最初に、どこで情報が止まっているかを見つける

営業活動は、お客様に喜んでもらい、価値を届ける活動です。内部管理活動は、それを支え、守るための情報や手続きを整える役割を持っています。

どちらも必要ですが、同じ進め方でよいわけではありません。お客様の要望に応じて工夫することと、取引の情報を正確に集めること。それぞれの目的に合う仕組みを考えます。営業の工夫を支えるためにも、管理に必要な情報は迷わず次へ渡せる状態にしておきたいところです。

請求書が届かないのか、机で止まるのか、承認待ちなのか。直近1か月の資料について、発生・回収・承認・入力の日を並べると、処理よりも次の人へ渡るまでの時間が長い場合があります。

誰かにもっと頑張ってもらう前に、仕組みのどこで情報が詰まっているかを見る。そこから変える順番を考えます。

図1 入力前の待ち時間を見つけ、改善する工程を考えます。

10日から逆算し、担当と期限をつなぐ

例えば、翌月3日までに資料回収、5日までに確認・承認、7日までに入力、9日までに残高と不足資料を確認し、10日に数字を共有する流れです。

これは工程の設計例であり、共通の日程や当事務所の納期ではありません。休日、取引先の請求日、在庫確認などに合わせて調整します。

締切だけでなく、どの情報を、どの形で、誰へ渡すかも決めます。承認者が確認する内容や、完了したことの伝え方まで揃えると、前後の工程がつながります。担当者が不在のときや、資料が期限までに届かないときの連絡先も決めておけば、仕事が止まりにくくなります。

「経理が10日までに頑張る」ではなく、必要な情報が届くまでの流れを整えることが大切です。

図2 翌月10日から逆算した工程の設計例です。休日や取引条件に合わせて調整します。

必要な情報を、一度で正しく集める

資料が早く届いても、取引先・金額・内容が分からず何度も聞き直していては進みません。例えば経費申請なら、支出の目的、関係する取引、必要な証憑を揃え、転記や送り直しを減らす流れを考えます。

毎月の必要資料は一覧にし、受領済み・未着・確認中を区別します。未着資料の確認先と次の確認日を記録すれば、複数の人が同じ問い合わせをする行き違いも減らせます。

資料が未着でも、その月の売上や費用を翌月へずらしてよいわけではありません。計上時期を確認し、見積計上が必要なら根拠と精算方法を決めます。

早く集めることと、正しく集めることを、同じ仕組みで実現する。その視点が必要です。

自動化する仕事と、人が確かめる仕事を分ける

銀行・カード明細の連携は転記を減らせますが、取り込めたことと正しく計上できたことは同じではありません。二重計上、立替金の混在、入金と売上の重複などは確認が必要です。

預金、売掛金、買掛金、在庫など、どの残高を何と照合するか、誰が確認するかを決めます。間違いを見つけたときの戻し先と直し方も整理しておきます。確認をなくして早くするのではなく、確認に必要な情報が揃い、手戻りが減る流れを考えることが大切です。

ソフトだけでなく、その前後の情報の流れを見直す。自動でできることは任せ、人が確かめるところは確かめられるようにする。それが正確さと早さを支えます。

図3 手作業を急がせるのではなく、営業を支え、必要な情報が正しく集まる仕組みを整えます。

無理なく、無駄なく、ストレスなく数字が集まる状態へ

目指すのは、催促と残業で毎月何とか間に合わせる状態ではありません。日々の仕事の中で情報が次へ渡り、正確な数字が早く揃う状態です。

営業の仕事を何度も止めたり、経理に同じ情報を探し直させたりせず、それぞれの役割に取り組めるようにする。内部管理は、お客様に喜んでもらう活動を支えるものです。

試算表ができたら、予定との違いと原因を確認し、今月の行動へつなぐ場も整えます。まず一つの工程について、情報・渡し方・担当・期限を見直し、翌月に催促や聞き直しが減ったか確かめてみましょう。

無理なく、無駄なく、ストレスなく情報が集まり、早く決算できる。そのために仕組みと考え方の両方を変えることを支援していきます。

関連記事

経営の改善は、勘定科目の改善から始まる

1.経営計画は「現在地」と「未来像」から始まる 経営計画を立てるとき、まず何から考えるでしょうか。 5年後に売上をいくらにしたいか 利益をどこまで伸ばしたいか どん…

経理業務効率化(DX)

経理業務の属人化や手間を見直し、会計ソフトやクラウド活用で効率化を支援。数字が早く整い、経営判断に活かせる体制づくりを進めます。